管理人は下手をするともう30年以上日本の風俗店というもので遊んできましたが、やはりこの業界も随分と変化や流行などがあったりして変遷していってるわけです。
そこで、私も今更ながらこの業界を勉強し直す意味もあって(当サイトの定義の確認も兼ねて)、初心者向けに風俗業界を分類してみたいと思い立ち、現在の姿やその沿革まで含めてまとめてみることとしました。
大前提として、(1)「本番系」、(2)「非本番(発射あり)系」・「非本番(発射なし)系」の3分類を元にして、(1)・(2)と稿を分けたいと思います。
本稿は(1)の本番系について。
本番系の風俗業態
大前提の建前として、日本では本番サービスのある営業行為をすることは違法です。
本番系風俗は、以下、営業形態として更に大きく4分類しておきます(ソープランド・ちょんの間・ホテトル・置屋)。
ソープランド
ソープランドは、浴槽設備のある部屋で、ソープ嬢と呼ばれる女性が男性客に対し性的な本番サービスを行う?風俗店です。
当サイトでもオモテ風俗の分類として風俗店リストに取り上げています。
「ソープ」、「個室付特殊浴場」などとも呼ばれます(ソープランドという呼び名は1980年代以降のことで、それ以前は「トルコ風呂」、「トルコ」と呼ばれていた。ただ、元となるトルコ共和国の入浴方式とはまったく異なる意味でこの俗称が日本で使われていることが問題となり呼び名を公に廃止されるに至った)。
昭和初期頃まで存在した「遊郭」の跡として存在している(していた)ため、全国的に、一団の店舗群(いわゆるソープ街)であることが多いようです。
ソープランドは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)に定める店舗型性風俗特殊営業で、風適法第2条第6項1号では「浴場業(公衆浴場法 (昭和二十三年法律第百三十九号)第1条第1項に規定する公衆浴場を業として経営することをいう)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」と定義されており、公衆浴場としての条件も満たす必要があります(保健所の検査が行われます)。
上記のように、施設としては法律に定められたオモテ風俗の経営形態ですが、実は性交(本番行為)についてはグレーゾーン扱いで、簡単に言えば、「施設経営者の与り知らぬところで、サービス中に客とソープ嬢が自由恋愛に発展して性行為に及んでしまった」という建前が必要になることがキーポイントとなります(売春防止法では単純売春に対する罰則はなく、客と自営業者であるソープ嬢が金銭を介して性交渉を行っても摘発対象にならない。しかし、施設経営者が客や女性に売春のための場所を提供することは売春防止法でいう「場所提供」、また女性の勤務を管理することは「管理売春」にあたり、それぞれ摘発対象となる。尚、入浴(入泉)料とサービス料を別としたり、ローションや避妊具の管理を嬢の裁量に任せているのも、働く女性は個人事業主であり、店舗経営者が管理売春に関与してないことを明確にするためである。)。
ちょんの間(ちょいの間)
ちょんの間とは、簡単に言うと、「短い時間で●番行為のできる裏風俗店」の総称です。
特に関西方面の風俗上級者には慣れ親しんだアンダーグラウンドの用語ですが、言葉の定義としては、
かつての赤線エリア(GHQによる1946年の公娼廃止指令から1958年の売春防止法の施行までの間に半ば公認で「特殊飲食店」として売春が行われていた地域)や青線エリア(同左期間に「特殊飲食店」の許可をとらず非合法で売春が行われていた地域)で現に売春営業(旅館・料亭・飲食店・スナックなどの店舗での客と従業員の自由恋愛という名目)している風俗店およびその地区のことを言います。
これももう死語と言っても過言ではない「売春宿」・「置屋(おきや)」・「遊郭」などとほとんど同義ですが、正確には上述したようにかつての赤線・青線エリアにあるものを特に今は「ちょんの間」と呼んでいるようです。
また、その語源の「ちょっとの間(30分前後)の●番行為」から読み取れるように、基本的に行為の時間が短いのも特徴です(この辺りは昔の遊郭などとは営業方式が異なる)。
その「ちょんの間」が令和のこんにち、半ば公然と存在しているわけですが、言わば日本の性風俗文化の遺物的扱いであり、限りなくブラックに近いグレーゾーンに存在する産業とも言えます。
因みに、上記の「ソープランド」と比較すると、その沿革や存在意義は似ていますが、上述したようなエリアの有無や営業形態が明瞭に異なります(法規制の違いによるところが大きい)。
尚、このちょんの間については、全国的に激減しているものの、地域によっては今なお営々と生きていることもあり、また別稿で取り上げてみたいと思います。
ホテトル
ホテトルは、今ではほとんど見られない業種ですが、完全に絶滅したとは言えないのでここでも取り上げます。
ホテトルは、ホテルトルコの略称で、ラブホテルやビジネスホテルなどに女性を派遣し性サービス(本番行為)を行わせる性風俗業態の一つです。
上記のソープランドの項で、かつて「トルコ」の俗称が公的に廃止されたことに触れましたが、ここでは「ホテルソープ」と言う呼び名は根付きませんでした(ホテトルは大前提で違法とされていたことにも因るのかも…)。
お店はホテル近くの公衆電話などに貼り付けられた小さなピンク広告ビラで客を募り、客の電話に対してホテルに女性を派遣し性行為に及ぶという違法行為(売春)営業でした。
まだインターネットの無かった当時は、タブロイド版夕刊紙などにも少なくない数の3行広告出稿があったほどで、都市、地方に関わらずかなり一般的な形態であったはずです。
本番行為を伴わない(はずの)派遣型風俗店、いわゆるデリバリーヘルスが法的に認められるようになってから急減しましたが、今考えると大胆でおおらかな世情を背景とした業態でした。ピンクビラで埋め尽くされた公衆電話ボックス(通常は毎日夕方頃から貼られはじめ、朝から昼間にかけて撤去されていた)が懐かしいですね。
尚、「立ちんぼ」(いわゆるストリートガール:露地で女性が男性を誘うダイレクト売春で、組織として行うものと、女性個人が行うものがあった)というのも類似した形態ですが、こちらも規制が厳しくなったため今ではほとんど見られません。ただ、むしろこの業態は昨今のネット売春に形を変えて生き残っていると考えたほうが正しいのかもしれませんが…。
置屋
現在ではほぼオモテに出てくることはありませんが、昭和50年代頃までは、特に観光温泉街などに割と普通にあった業態です。
やはり上述した「ちょんの間」エリアのようにグレーゾーンの花街から転じたものも多かったと思われます。
温泉街にある旅館や飲食店などが窓口になり、嬢をあっせんする形の売春で、それ専用のアパート(多くはその嬢の住まい)も用意されていました。
口コミや裏ジャーナル誌などで情報が伝達されることが多く、有名なところでは離島で、島まるごと売春エリアになっていたところもあるほどです(三●県にもつい10数年ほど前まであった)。
ただ、現在は、観光地などのクリーン化が促進されたこともあってほとんど絶滅したか、リスクをとりながら更なる地下潜伏状態となっています(マーケットとして存在はしています)。
[PR]まとめ
この記事では、本番系風俗店の考察についてまとめてみました。
- ソープランド
- ちょんの間
- ホテトル
- 置屋
非本番系風俗店の考察については、続編である下記(2)をご覧ください。
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